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エジプト考古学者・吉村作治さんのお話を読んだ。
吉村教授は、10歳の時に
「ツタンカーメン王のひみつ」というエジプトで王墓を見つけた人の伝記を読み、
エジプトに行って考古学者になろうと考えたそうだ。
で、学者を目指し志望した大学に不合格になった時に、
もう一つの夢、役者になるという方は合格したので、母親に
「神は僕に役者になるようにと言っているらしいので、そっちにするよ」
と言うと、母は
「あなた、学者は役者をやれますけど、役者は学者にはなれないのよ」
とはっぱをかけたと言う。
僕はよく、TVに出ているタレントや俳優を見て、
若いうちに芸能界に入って活躍することができず、
いろいろと遠回りをしているな、と思う。
でもこの話を読んで、妙に納得して、
僕は学者になった訳ではないけれど、
同じように考えて、これまでのキャリアを残念に思うことなく
ポジティブでいられるような気がした。
この話には後日談があるのだが、
3年浪人して志望の大学に入れなかった時、
「もう1年浪人してみようと思う」
と言うと
「高校も3年だから、浪人も3年よ」
と母はあっさり答えたのだそうだ。
紆余曲折あって、現在吉村教授は活躍されているんだと。
目の前の道が塞がっていたら、掘っても飛んでもいい。
目的地へ辿り着くルートは、無限にあるのだね。