ルパンⅢ世 カリオストロの城 | Stairway To Stardom

ルパンⅢ世 カリオストロの城



あらすじは画像をクリックしてどうぞ☆

かつてレーザーディスクで持っていた、
お気に入りの作品です。
何度も何度も観たのですが、
数年ぶりにまた観ちゃいました^^;
1979年公開の、ルパン劇場版第2作目です。
スタジオジブリ初作品とのこと。
劇中の日時設定は、不二子がよこした新聞の切り抜きを
一時停止してよ~~く見ると分かるのですが、
実は1968年9月なんですねぇ・・・知らなかった。
ヨーロッパが舞台なのに埼玉県警のパトカーが走っていたり、
そういう小ネタを仕込んでいるところもいいねぇ。

この作品、好きなところ素晴らしいところが山のようにあります。

まず、「ルパン」ならではのナンセンスな映像表現がたくさんあって、
宮崎駿監督をはじめとするスタッフの才能・アイデア・
センスに脱帽です。
冒頭の、車から途切れることなく宙に舞っていく偽札の映像は、
有り得ないんだけど絵的にイイ。
その後主題歌とスタッフロールが流れる間に、
2人がカリオストロ公国へ向かっている様子を、
味のある少ないカットで表現している部分も、とてもセンスを感じさせる。
あとは水道橋から侵入するシーン、水越しに見える歪んだ銭形の顔、
屋根を飛び移るシーンなんかは、痒いところに手が届くような、
気の利いた笑いを提供してくれます。

そして何よりBGM~♪
「ルパン=ジャズ」という図式も有名ですよね。
キャラクターの喜怒哀楽を音楽で表現するというのは、
まぁ基本的な手法なんだけれども、それが見事にハマっている。
冒頭のカーチェイスのシーンでも、対向車のバスに出くわす部分で、
ノリノリの演奏からドラムソロのフェイクでかわしてみせるあたり、
もう最高ですよ。素晴らしい!!

で。
世界中で親しまれている作品だということなので、
今回、初めて副音声の英語版でも観てみました。
これがさ、なかなかかっこいいのよ♪
外国人が日本で確立されているキャラクターをどのように演じるのか、
日本語のセリフがどのように英訳されているのか等々、
英語の勉強もしている僕にとってはいろいろと新鮮で、刺激にもなって、
なかなか楽しめました。
まぁそれも、演技力のあまり必要でない序盤のうちだけれど。
次元はさ、英語版ではルパンのこと「ボス」って呼ぶのよ(笑)
設定に上下関係はないんじゃ???
他の連中はルパンを一様に「ウルフ」って呼ぶし・・・なんで??
クラリスが「泥棒さん」なんて呼ぶのがいじらしかったりするのに・・・
よく分からん^^;
「またつまらぬものを斬ってしまった」っていう五右衛門の決めゼリフも、
英語ではそれに相当するうまい言い回しはないのねぇ・・・
「燃えない(アスベストの)スーツを着ろって言っておくべきだった」
なんてセリフにすり替わってるのでした。
セリフ少なくても五右衛門はかっこいいんだけどさ(笑)
あとね、英語版ラストシーンのクラリスのセリフなんだけど、
ルパンに対していきなり「愛してます!!」とか
「あなたは光る鎧に身を包んだ私の騎士です!」
なーんて熱烈なこと言っちゃうのよね・・・ストレート過ぎ~;;
お国柄の違いなんだろうけど、
クラリスの良さ、可憐さが損なわれてる気がして非常に残念ですわ。
想いを秘することの奥ゆかしさや美徳といったセンスは、
やはり日本人は特に持ち合わせているんだよね、素晴らしい。
日本語の表現の豊かさにも、特別なものを感じます。

それにしても、ルパン役の故山田康夫さん、
クラリス役の島本須美さん、次元役の小林清志さん等々、
日本の誇るベテラン声優陣の表現力は圧倒的だと思いました。
めちゃめちゃスゴイですよ、ほんと。
英語版のルパン一味は、みんな声の質が軽くてね、
味気なくていまいちだったし、
外国の声優さんが特に演技をしないで端折っちゃってる部分だけれど、
日本のオリジナルの声優陣は入れている、
セリフにはなっていないちょっとした息遣いや合いの手が、
どれだけキャラクターを活き活きさせているのかがよく分かりました。
英語版はそういうところ演技しなさ過ぎ~ 沈黙が多いのだ。

古い作品だから映像に特殊効果等は全然ないんだけど、
エンターテインメントとして本当に大事なのは、
よく練ったストーリー展開と、魅力的な登場人物なんだということを
改めて感じさせてくれる作品。
俺的格付けは、文句なしで最高のA++
観てない人は是非どうぞ♪

★★★★★★★★★